■パス(PATH)はとは? 簡単に(楽に)コマンドを実行するために、
パスの設定をする事を『 パスを通す 』と言います。
たとえば /usr/local/pgsql/bin/psql というコマンドを psql とだけ入力して実行させるとします。

この場合 psql というコマンドがある場所が /usr/local/pgsql/bin です。
つまり、/usr/local/pgsql/bin にパスを通す(環境変数 PATH で指定)事で、
【 psql 】と入力するだけで、実行することが出来るようになります。

■パスを確認するには?
コマンド【 echo $PATH 】(もしくは、env | grep PATH)でどこにパス(PATH)が通っているか確認できます。

$ echo $PATH
/usr/local/bin:/bin:/usr/bin:/usr/X11R6/bin:/usr/vine/bin:/home/zem/bin

パスは『 : 』(コロン)で区切られています。

 ■パスの優先度は?
パスの優先度は左の方が『 優先 』されます。
コマンド『 echo $PATH 』あるいは『 env | grep PATH 』で出てきた左が優先されます。
たとえば、/usr/local/bin/perl と /usr/bin/perl があるとします。
環境変数 PATH で /usr/local/bin の方が優先されると、
実際に実行されるコマンドは /usr/local/bin/perl となります。

■パスの設定方法 環境変数 $PATH を書き換えます。
たとえば /usr/local/pgsql/bin へパスを通したい場合

$ PATH=$PATH:/usr/local/pgsql/bin $ export PATH

このように入力します。
『 $PATH 』とは “現時点で環境変数 PATH に設定されているパス名”です。
これまで “/usr/local/bin” にパスが通っている場合は、”/usr/local/bin” に加えて
“/usr/local/bin/pgsql”がパスに加えられます。
複数のパスを加えるためには : で区切って指定します。
/usr/local/mysql/bin も一緒に指定する場合は次のようになります。

$ PATH=$PATH:/usr/local/pgsql/bin:/usr/local/mysql/bin $
export PATH

 ちなみに、コマンド『 export PATH 』は必須。
環境変数 PATH をエクスポート(出力)=環境変数を設定するという意味があります。
コマンドは『 export PATH=$PATH:/foo 』のように1行に纏めてもかまいません。

■ログインする度に自動で設定するには?
毎回ログインする度にパスの指定をするのは面倒なものです。
その場合、ホームディレクトリ配下にある .bash_profile を編集します。
.bash_profile の中に PATH=$PATH:~ と export の記述をするだけで、
毎回ログインするたびに自動で環境変数が設定されます。
環境変数の設定をサーバ内の全ユーザに対して指定したい場合は
/etc/profile ファイルを開き、末尾に PATH=$PATH:~ と export を追加する方法が確実でしょう。

各ユーザの .bash_profile の中には、ログイン後に /etc/profile
ファイルを読み込むような記述があるからです。